お正月で疲れた胃にやさしい「七草粥」、食べると野菜不足を補ってくれます。
また人々は「無病息災」を願っていただきます。
この七草粥の風習はよく知られていますが、なかなか種類や意味を知る機会がないのではないでしょうか。
春の七草の種類や意味、七草粥の由来を知り、せっかくですからきちんと厄祓いする作り方にも挑戦してみませんか。
七草の種類と意味
七草粥の時期になるとスーパーで7種類がセットになった便利なものが売られるようになりますね。
手軽に楽しむには最適ですが、七草の種類を覚えなくても作れてしまうため中になにが入っていたのかわからなくなっていませんか?
どんな草が入っているのかここで確認してみましょう。
その草の持つ意味も知ると七草粥の行事も楽しくなりますよ。
春の七草
芹(せり)
「競り勝つ」という意味が込められています。
香りがよく、おひたしにしてもおいしいです。
薺(なずな)
またの名をぺんぺん草といいます。
実が三味線のバチに見えるところからそう呼ばれるようです。
「撫でて汚れを除く」という意味が込められています。
御形(ごぎょう)
「仏様の体」を表します。なんだかありがたいですね。
昔のよもぎ餅の材料で白くて柔らかい草です。
繁縷(はこべら)
「繁栄がはびこる」
長らく産後の薬として食べられていました。
仏の座(ほとけのざ)
「仏の安座」を意味します。
キク科のコオニタビラコ(小鬼田平子)のことです。
見た目はタンポポのようです。
菘(すずな=カブ)
「神を呼ぶ鈴」ということで邪気を払うという思いが込められています。
ビタミンが豊富です。
蘿蔔(すずしろ=大根)
大根はその実が白いところから「穢れのない潔白」を表します。
のどの痛みを解消します。
春の七草の覚え方
「五・七・五・七・七」の和歌調で覚えると思い出しやすいですよ。
とはいえ、春の七草の種類は固定されたものではなく、好きなものを7種類用意すればいいそうですよ。
「七草セット」をわざわざ買わなくても鍋にも使える三つ葉や菊菜でもいいですし、冷蔵庫にあるネギ、人参、ほうれん草を使ってもいいんです。
七草粥はいつ食べるのかその由来を知る
七草粥は「人日の節句」(じんじつのせっく)である1月7日の朝に食べます。
とはいうものの、現代の朝はなかなかゆっくりお粥を炊くのも難しいですよね。
ですから、ほとんどの家庭で昼食や家族がそろう夕食に食べることが多いようです。
七草粥の由来
古来中国には人日の日に7種の若菜を入れた汁「七宝汁物」を食し、邪気を払い、無病息災を願う行事がありました。
それが平安時代に日本に伝えられ、宮中でも行われるようになったのです。
室町時代になると汁から七草粥がつくられるようにかわりました。
江戸時代には「1月7日に七草粥を食べる」という風習が広まりました。
七草粥の作り方は米からとご飯からどっちでもできます
七草粥の作り方はご存知ですか?
風邪をひいたときや子どもの離乳食で作り慣れているお粥ですが、七草粥の場合はまず最初に“厄祓い”をしましょう
厄払いの仕方
前日(1月6日)の夜にまずすべての七草を刻みます
唱えごとをしながら(七草囃子)7回ずつ計49回たたくようにします
それを神様にお供えします
七草囃子歌(はやしうた)は地方により歌詞に違いはあるのですが、代表のひとつとして下記のようなものがあります。
「唐土の鳥」とは大陸から日本へ疫病をもたらす、災いの象徴です。
歌いながら、悪いことがおこらないように願って七草におまじないをかけていたのですね。
七草粥の作り方
①お粥を作る
本格的にお米から炊く方法
土鍋を使うと美味しいお粥ができますよ。
鍋に洗ったお米と水を入れて強火にかけます。(2~3人分だと米1合、水1000cc以上)
沸騰したら弱火にしてことこと40分くらい煮込みます。
手軽に冷ご飯を利用する方法(2~3人分)
お茶碗1杯分のご飯をザルに入れ、水洗いします。
鍋にご飯とお水(ご飯の3倍の量)を入れ中火にかけ、沸騰したら弱火にして10分ほどでできあがりです。
②七草の準備(前日に厄払いした七草を使うか、以下のように調理します。)
お粥を作っている間に準備しましょう。
カブと大根は短冊切りにしてお粥を作っているところに入れ、一緒に煮込みます。
五草をさっと茹でみじん切りにします。
③お粥に七草を入れて塩で味をととのえ仕上げます。
薄味が苦手な人は昆布茶や出汁を入れると風味がアップして食べやすくなります。
子どもには溶き卵を入れると喜んで食べてくれますよ。
(七草を入れて混ぜ合わせたときに溶き卵を流しいれて蓋をし、卵に火を通してください。)
七草粥のまとめ
地方によっては青菜だけではなく、根菜や豚肉、お餅が入るところもあるそうです。
わが家自慢のレシピの七草粥があればぜひコメントでお知らせくださいね。