12月になると年賀状の準備に取り掛かる家庭も多いと思います。
幼稚園・保育園に通うお子さんが園の先生に年賀状を出したいと言ったときには是非挑戦させてあげてください。
受け取った先生もきっと喜ばれますよ。
子どもが先生宛の年賀状を書くときに気を付けたいポイントをまとめてみました。
年賀状を園児から先生に出すときに気をつけること
未就学児の子が出すのですから、堅苦しく書き方を気にする必要はないのかもしれません。
しかし、子どもにとって目上の方である先生に出す年賀状ですし、実際には親がハガキを用意し宛名を代筆することになるのですから、正しい作法で書きたいですね。
宛名と添え書きについては詳しく後述します。
まずはハガキ選びや書く前に知っておきたい心得についてご案内します。
印刷した年賀ハガキを使う場合の賀詞に気をつけよう
一文字や二文字の賀詞が印刷されているものは使わないようにします。
例:「寿」や「賀正」「迎春」
これは目上の人に使うと失礼になってしまいます。
子供から先生宛てに送る年賀状であれば、文章の賀詞を用いるのが無難です。
次のものから選ぶと良いでしょう。
新年おめでとうございます
謹んで初春のお慶びを申し上げます
間違った賀詞の例
×「新年あけましておめでとうございます」
「あけまして」は「年があけて」の意味があるので「新年」と表現が重複してしまいます。
×「A Happy New Year」
冒頭のAは不要です。「Happy New Year」と書きましょう。たまに間違って印字されているカードもあるので気をつけましょう。
年内に届けるクリスマスカードでは「Merry Christmas and a happy new year」と表現されていて、「a」がついています。
元旦に届くように投函する
投函を12月25日までにすると元旦に届きます。
投函は12月11日から受付となります。
年賀状は松の内(1月7日)までに届くようにだすものです。
園宛てに出す場合、先生方も新学期になってから園で年賀状を手にされると思うのですが、元旦に届くように出すのが理想的ですね。
返信は期待させない
返信をくれる場合もありますが、それは先生の御厚意による場合がほとんどです。
先生は返信したくても、中には園の方針で「園以外では個人的な交流を持たないように」しているところもあります。
先生によっては今まで受け持った生徒さんが何人もいてそれぞれに返信するとなるとものすごい人数になってしまうこともあります。
いろいろな事情があると思いますので、お返事は来るものとは限らないのです。
子どもに「お返事いつくるかなー?」と期待させるようなことは言わないようにしましょう。
年賀状を園児から担任の先生へ出すときの宛名はどうする?
宛先は園宛てに出す
基本的には宛先は園の住所にします。
受け取った年賀状にお返事を出す場合で、先生がご自宅の住所を書かれている場合はご自宅に送ります。
住所は省略しない
宛先住所はきちんと都道府県から書きましょう。
番地などの数字は縦書きには漢数字(一、二、三)を使います。
宛名の敬称は「先生」で
フルネームを書き、敬称をつけます。(苗字+先生ではありません)
「先生」に「様」を重ねて二重敬称にならないようにします。
例
○○幼稚園
○○組○○先生
産休でお休みされている先生や退職された先生にも「先生」として大丈夫です。
子どもにとって先生としての感謝の気持ちがなくなるわけではないので、敬称は「先生」のままにするのが日本での風習となっています。
(退職された先生宛ての年賀状は園には出しません)
園長先生に出すときの敬称
例
〇〇幼稚園
園長 〇〇先生
肩書の「園長」を書かず、「○○園長」「○○園長先生」と敬称だけにしても大丈夫です。
また、年賀状などの私信の場合目上の方に「殿」は敬称には使いません(「園長 ○○殿」とはしません)
連名にするときの順番
役職が上の方を右側にします
園長先生と担任の先生宛にするときは園長先生を右側に書きます。
担任の先生、副担任の先生に出すときはそれぞれの先生宛に出すのがベストですが、連名にしても構いません。
右側に担任の先生の名前を書き、左側に副担任の先生の名前を書きます。
園のお世話になった方全員宛てにしたいとき
お子さんは現担任の先生だけでなく、前年にお世話になった先生や事務員の方、給食のスタッフの方等たくさんの人達と関わっています。園全体に年賀状を出したい場合には「御一同様」を使います。
例
○○園
御一同様
朱書きを忘れない
年賀ハガキを使うときはあらかじめ印字されていますが、それ以外の手製のものを使うときは、切手の下に「年賀」と朱書きします。
「年賀」がないと普通郵便扱いされ、年内に配達されてしまうことがあります。
年賀状を園児から出すときの例文
覚えたてのひらがなで書いたメッセージは、短くても先生の心を和ませ、成長を感じて喜んでくれるものです。
ひとことで良いので本人に書かせましょう。
子どもが書きたいことを自由に書いてよいのですが、お正月ですから前向きで明るく楽しいメッセージにしましょう。
字が書けない子の場合は絵を描いたりしてもいいですね。
まだしっかりと文章が書けないうちは、親からも日頃の感謝の言葉を添えてお出ししましょう。
子どもが思い浮かばない場合は親子で会話をしながら一緒に見つけてあげるといいですよ。
例文
「せんせい、だいすきだよ」
「またあそんでね」
「またいっしょにつみきあそびしてね」
感謝の気持ちを書く
「いつもありがとう」
「ピアニカおしえてくれてありがとう」
冬休みにどんな風に過ごしているのかを書く
「ゆきあそびしたよ」
「みかんをたくさんたべました」
新年の抱負やがんばっていることを書く
「なわとびがとべるようになりたいです」
親から添える言葉も短いメッセージでいいですよ。
「昨年は温かいご指導ありがとうございました」(“去年”は忌み言葉になるので使いません)
「本年もどうぞよろしくお願いいたします」
子供の字が読みにくい、絵がわかりづらいと思われるときには説明文も添えましょう。
「いつもニコニコしている先生のお顔です」という風に絵だけだと誰の顔かわからないときに書くといいですね。
ハガキの印刷ですでに「あけましておめでとうございます」や「Happy New Year」と書かれている場合は手書きで重複して賀詞を書かないようにしましょうね。
句読点はつけない?
「筆書きで書いていたという名残りで句読点は使わない」、「改まった文面では句読点は使わないという慣習がある」という説や「文字を読み慣れていない人が読みやすいように使うものなので目上の人には失礼にあたる」といった説があります。
句読点をつけなくても読みやすいような短めのメッセージを選びましょう。
ただし、現在では句読点を使う人が多く、読みやすさが優先されます。
それほど気にしなくてもよいようです。
書き間違えたら新しいハガキで書き直す
修正液や二重線で消したものは失礼になります。
字を書きなれていない園児ですと、文字の大きさのバランスがむずかしいと思います。
事前に他の用紙で練習してから書くようにするといいですね。
まとめ
年賀状は、感謝の気持ちを伝える手段です。
最近では「お返事などのやりとりがご負担にならないかしら?」と気をまわしすぎて出されない方も増えてきているようです。
年賀状の交換というのは日本の伝統や、風習、行事であることに変わりないのです。
園によって決まりがある場合はそれに従うことは必要ですし、個人の考え方はそれぞれですが、出して失礼にあたるというものでは決してありませんので心を込めて書くことを子どもと一緒に楽しみましょう。