喪中の年末年始は、例年とちがったマナーやしきたりがあり戸惑うことも多いですね。
今回はあなたご自身が喪中の身であるとき、年の暮れの御挨拶である「お歳暮」をどのようにすれば失礼がないのかを確認していきましょう。
自分が喪中のときのお歳暮のマナー
身内の方が亡くなり、自分が喪中であるとき、お歳暮を贈っていいのでしょうか?
実は、お歳暮はお世話になった方への感謝の気持ちを表すもので、「おめでとう」というお祝いの意味ではありません。
「今年はお世話になりました。ありがとうございます。」という日常の挨拶ですから喪中は関係なくお歳暮を贈っても差し支えありません。
添え状や送り状などはいつもと変わらない文章で簡潔に書きましょう。
喪中のお歳暮に添える文例
○○様には日頃からいろいろとお引き立てを頂きまして深く感謝しております
気持ちばかりではありますが暮れのごあいさつのおしるしまでに心ばかりの品を別便にてお送りいたしました
お納め頂ければ幸いでございます
来年も変わらぬお付き合いのほどよろしくお願い申し上げます
厳寒の折風邪などお召しになられませんようご自愛ください
敬具
- 「良い新年をお迎えください」などのお年賀を連想させるご挨拶は略して構いません
- 儀礼的な挨拶状では行頭の一文字下げや句読点は使いませんが、最近では使われることもあります
忌中のお歳暮は控える
喪中のお歳暮は贈っても問題はないのですが、控えたほうがいい場合もあります。
「喪中」は、忌日から1年のことをいいます。
「忌中」というのは、仏式では四十九日、神式では五十日までをいいます。
亡くなられて間もない場合(=四十九日が済んでいない)という場合は、忌明け後に贈ったほうがよいでしょう。
相手によっては死を「穢れ(けがれ)」と感じて気にすることもあるので忌中の贈り物は控えたほうが無難です。
喪中のお歳暮は取りやめても大丈夫
大切な方を亡くされ、心に余裕がない場合は無理はなさらずに。その年のお歳暮をとりやめてもマナー違反とはなりません。
「喪中のため年末年始のご挨拶は失礼させていただきます」とはがきでお知らせを出せば先方も理解していただけるでしょう。
今まで故人との関係でされていたお歳暮のやりとりは今後はお止めになるのも一般的ですので、そうされてもいいかと思います。
喪中ときのお歳暮で気をつけること
喪中のときのお歳暮には「のし紙」はかけずに贈ります。
通常、お歳暮を贈る際の「のし紙」にはのしと紅白の水引が印刷されていますが、のしも紅白の水引も慶事に使われるものです。
喪中であれば白無地の掛け紙(奉書紙)に表書きの「お歳暮」と名前を記載します。白い短冊を使っても構いません。
忌明けまで待つとお歳暮の時期がずれてしまう場合は、松の内(元旦~1月7日)が過ぎてから「寒中見舞」として贈ります。
寒中見舞いは、寒さが厳しい時期に相手を気遣う時候の挨拶であり、祝いごとには当たりません。
寒中見舞いの期間は、1月8日(関西は1月15日)から立春(2月4日頃)の前日までです。
掛け紙は、白無地のものにします。表書きは「寒中御見舞」とし、名前を記載します。
喪中のお歳暮のお返しはどうするの?
自分が喪中である場合、お歳暮を受け取るのも問題ありません。
一般的にはお歳暮にはお返しは必要ないのですが、地方や地域の慣習でずっとお返しをされているという方もいらっしゃいます。
その場合も例年通りお返しをされてよいのですが、四十九日の済んでいない「忌中」のときにはお返しは送らないようにしましょう。
自分が喪中であることを知っている相手からのお歳暮であれば、お礼状に「変わりなく過ごしておりますので他事ながらご安心ください」といった近況をお伝えするのもよいでしょう。
お返しの品には「のし」や「水引き」をつけず、白無地の掛け紙をかけましょう。
故人宛にお歳暮が届いたときの対応は?
故人宛のお歳暮であっても受け取ることは問題ありません。
おそらくは亡くなったことを知らずにお歳暮を贈ってこられたと思いますので、早々に、お歳暮のお礼とともに本人が亡くなった旨先方に連絡します。
「いただきましたお歳暮は仏前に供えさせていただきました。ご厚情に感謝します。」といった一言や亡くなった事の連絡が遅くなったお詫びも添えて、お礼状を出されるとよいでしょう。
自分が喪中のときのお歳暮マナーのまとめ
- 喪中であってもお歳暮を贈ったり、受け取ることは問題ない
- 忌中には時期をずらしてお歳暮やお返しを寒中見舞いとして贈る
- のしや水引のない白無地の掛け紙をつかう
喪中のときのマナーはその地方や地域などで微妙に感覚が違うものです。
お歳暮や寒中見舞い、お返しをデパートで手配される場合、自分が喪中であることを店員さんに必ず伝えましょう。
掛け紙の手配などに対応していただけますよ。