子どもが「寒い」といっていてしばらくしたら悪寒の症状(悪寒戦慄)があらわれることがあります。
寒気がするのは発熱の前兆であることが多いのですが、すぐに病院に連れて行けばいいのか迷いますよね。
寒気がある子どものケアと病院を受診する判断はどうするのかについてお話しします。
子どもが悪寒で震えるのはどういうとき?
意識があり本人が「寒い」と訴えている場合
これに筋肉のふるえを伴ったのが「悪寒戦慄」(おかんせんりつ)です。
子供が「寒い」と言っていたら、まずは暖かくして休ませ、子どもの様子を観察します。
熱を測り、時間と体温をメモしておきましょう。
この時点ではまだ発熱していなくても徐々に熱が上がってくることが多いです。
家族に風邪など病気の人がいた場合でしたらうつってしまった可能性が高いです。
家族にも周囲(クラス)にも感染症などの人が特にいなくて、顔色は悪くなく、目の動きもおかしいところがなければこのまま更に様子をみます。
必ず発熱するとは限らないのですが、ここで何かをしたからといっても発病を防げる方法はないです。
たとえばビタミンCをとったりしても急に免疫があがるわけではありません。
この時点で寒気以外の症状(腹痛や関節痛など)や熱がある場合は安静にして学校、園はお休みしたほうがいいですね。
熱のない寒気の原因
寒気以外の症状がなかった場合に、大事をとって園や学校を休ませたものの、少し経つと何事もなかったかのように元気を取り戻すこともあります。これは自律神経の乱れによるもので、リラックスしたことで改善したのかもしれません。
1日ちゃんと休養できたことで次の日から完全回復で登園・登校できるのであればOKです。
また、花粉や虫刺されによるアレルギー症状の一つにも寒気があります。思い当たるものはない考えてみましょう。
子どもが悪寒で震えている場合
- 身体ががたがた震える
- 急に体を強張らせてビクっとなる
この様な悪寒戦慄の症状が出始めると親としても心配ですよね。
でもまず暖めてあげて様子を見ます。早く医療機関にかかったからといっても早く治るわけではないです。
早すぎると検査ができないこともあります。
そうはいっても、明日は休診といったときにはこのまま自宅で安静していていいのか悩みますよね。
そういう場合は心配な気持ちを取り除くことも大切ですから、受診するのも間違いではないです。
また、診療時間外でしたら、「小児緊急電話相談事業」にプッシュ回線で#8000を押し、相談してみましょう。
通話料のみで相談できます。
発熱を伴う悪寒の対処法
では、発熱もあり悪寒で震えている子どもはどのようなホームケアをして見守るのがよいのでしょうか。
寒いと言っている間は暖めるのが基本
まずは寒がっているのですから身体を暖めてあげます。手足を触ってみて冷たい時は、悪寒を感じている状態です。衣類や布団で暖めてあげましょう。
ただ、むやみに布団をたくさんかけてしまうと重くて苦しくなってしまいます。
室温を上げたり、あれば湯たんぽなどを使ってみましょう。
※エアコンの風が子供に直接当たらないようにしましょう。
湯たんぽはタオルでくるみ、身体から離して足元に入れてあげましょう。
解熱剤の使い方
熱が上がってきたらすぐに下げなければと考えるのは間違いです。発熱は身体の中に入ってきた病原体をやっつける正常な反応です。
解熱剤を使うのは熱が上がりきってからが良いです。無理に熱を下げると回復が遅れることがあります。
悪寒がしているときというのは熱を上げようとしている段階なのでちょっと早いのです。
解熱剤には病原体をやっつける効果はなく苦痛を和らげる効果のお薬です。病原体をやっつけるのは子どもの免疫力だけなのです。
熱が上がりきったら涼しくしてあげる
保温は終了し、水枕などでクーリングしてあげると眠りやすくなります。
おでこに貼るシートタイプのクールジェルなどよりも水枕や氷のうのほうが効果的です。
保冷剤などをタオルなどで包んで直接肌に触れないようにして冷やすのもいいです。
冷やすのは太い血管が通るところが良いので、首まわり、足の付け根、脇の下です。
本人が嫌がるのなら無理に冷たいものをあてる必要はありません。
汗をかきはじめたら、汗冷えしないように着替えさせたり、水分を補給させることも大切です。
悪寒戦慄で気をつけること
意識がはっきりしなくなる(呼びかけに対してなんだか反応が悪い)、呼吸がおかしい、出血がある、41℃以上の高熱など重症の症状が伴う場合は夜間であっても医療機関を受診しましょう。
悪寒と熱性けいれんの違いは何?
発熱が40℃を超え、ガタガタ震えだすと「熱性けいれん」を疑う人は多いようです。
しかし悪寒戦慄にしても熱性けいれんにしても緊急性のある症状ではないので、まずは看病する人が落ち着き、子どもの状態を把握する必要があります。
悪寒戦慄の症状
意識があり、呼びかけに反応する
目の動きがある
熱性けいれんの症状
白目をむいて意識がない
呼びかけに反応しない
顔色が紫になる
ほとんどの場合5~10分以内におさまる
※ 熱性けいれんは生後3カ月から5歳までの乳幼児が風邪などで38度以上の熱を出した時に起こるけいれんです。
熱性けいれんの対処法
衣服を緩めて顔を横向きにする
静かに寝かせる
大声で名前を読んだりせず、落ち着いた優しい声で安心させてあげるようにする
周囲のものをどけてぶつからないようにし、無理に体を押さえつけないようにする
嘔吐して気道をふさがないよう、顔を横向きにしてあげる
歯をくいしばって舌を噛むことはないので、口の中に割りばしやタオルなど入れる必要はない
顔色が悪いからと言って人工呼吸をしない。
身体に刺激を与えると症状が悪化してしまう可能性があります。
痙攣している時間と様子(手足の震え方などに左右差がないかなど)を良く見ておく。
ただし、その子供が初めてけいれんを起こしたときは病院に連れて行きましょう。
まとめ
悪寒で震えている子どもはこれからウイルスをやっつけようと戦闘態勢にはいっている証拠です。
ある意味では「武者震い」とも言えます。
そんなに心配する必要はありませんので、子どもが少しでも楽になるように気をつけてあげましょう。
他に気になることはありませんか?
子供の病気とホームケアについてまとめたページをご参考にしてください