[この記事の最終更新日は2019年7月19日です]
平安時代の陰陽師・安倍晴明を祀る晴明神社は全国にいくつかあり、関西では京都の晴明神社が有名です。
しかし京都のほうは晴明公の邸宅跡の『晴明神社』で、大阪には安倍晴明生誕地としての『安倍晴明神社』があります。
小さいながらも人気を集める安倍晴明神社に参拝してみませんか。
安倍晴明神社 大阪 の行き方
安倍晴明神社は境内約180坪(約600平米)ほどのこじんまりしたお宮さんです。
境内には大きな楠木や銀杏の木が生い茂っておりますが、これは大阪市の保存樹林が植えられているものです。
安倍晴明神社は、晴明没後2年の寛弘4年(1007)の創設とされました。
幕末に衰退への道を辿ったものの、大正10年(1921)、50m南にある安倍王子神社の末社として復興し、大正14年(1915)には現在の社殿が建てられました。
所在地
〒545-0034 大阪府大阪市阿倍野区阿倍野元町5-16
06-6622-2565
アクセス
阪堺上町線東天下茶屋駅下車、東南へ徒歩5分
安倍晴明神社への行き方
自動車
30号和泉泉南線(谷町筋・あべの筋)王子神社前信号の西側。
北から来られた場合は王子神社前信号を通り過ぎ、次の信号(北畠公園前)でUターンして北向きに戻り、『阿部王子神社』の鳥居より左折して駐車場へ入ります。
※安倍晴明神社には駐車場はありません。阿部王子神社の駐車場が利用可能です。
※駐車場は数台分しかスペースがありません。満杯の場合もありますし、祭礼で混雑しているときは駐車ができない場合があります。その場合は周辺のコインパーキングを利用しましょう。
タクシー
安倍晴明神社の名前はあまり知られていません。タクシーの運転手さんには「阿倍野の王子神社まで」と行き先を告げて下さい。
王子神社前で降りて、境内をまっすぐ裏まで抜けて、裏道(熊野街道)を右へ50mほど進んだところに、安倍晴明神社があります。
大阪(梅田)や難波から公共機関を使う場合
地下鉄またはJRの環状線で「天王寺駅」で下車します。
天王寺駅からは市バス、路面電車で神社に行くことができます。
大阪市営バス
天王寺(あべの橋)バス停(バス亭は天王寺ステーションビルの向かい側にあります。)から住吉車庫前行きまたは浅香行きに乗車し、4番目の停留所、王子町王子神社前にて下車。
向かいの阿倍王子神社の境内をまっすぐ裏まで抜けて、裏道(熊野街道)を右へ50mのところに位置します。
阪堺上町線(路面電車)
近鉄百貨店の前の道の真ん中に駅があります。
天王寺駅前からあびこ道/浜寺公園方面行きの路面電車に乗車し、3番目の「東天下茶屋駅」にて下車。
坂を上り四つ角を右へ50m熊野街道を進むと、安倍晴明神社があります。(さらに50m進むと、阿倍王子神社に着きます。)
阪堺電車乗車賃 全区間1回乗車 大人210円 小人110円
ひっそりと静かな住宅地に佇み、うっかりすると見過ごしてしまいそうになるくらい小さなお社です。
安倍晴明神社の御利益とは
安倍晴明神社のある地域は大阪市阿倍野区といいますが、これは安倍晴明から来ている地名です。
大阪のパワースポット、スピリチュアルスポットとしても有名な安倍晴明神社にはどんな御利益があるのでしょうか。
火難病難除災、方除けの御利益
さすが平安時代の陰陽師である晴明さまですから厄除けには大いに期待できます。
またこんな逸話もあります。
ここの神社には大東亜戦争時米軍の空襲で爆弾が境内に落ちたのですが不発で本殿に被害が出なかったそうです。それ以来災難除けの神様としてもますます信仰を集めるようになりました。
子授け安産の御利益
安倍晴明が生まれたということから「鎮み石・孕み石」は安産にご利益があります。
晴明生誕の碑があり産湯を使ったとされる井戸もあります。
身手洗いの水はこの井戸水と同じ地下水から沸いている井戸水です。夏は冷たく、冬は暖かい水です。
学業技芸上達、試験合格の御利益
天文学、陰陽道に秀でた安倍晴明。祈願すると願いは叶いそうですね。
占いの神様として信仰されている
安倍晴明神社内には占いコーナーがあり、一件2000円で様々な相談に乗ってくれます。
占いの受付時間は毎日午後1時~午後4時半迄(※年末年始休業あり)で、よく当たるということで待ち時間が長くなることもあります。
また、料金の一件というのは一人の料金ということではなく、恋愛と仕事についてみてもらうと二件分となるので注意が必要です。
ご近所では“子供の名づけで有名”です。
こちらの神社で相談して名前を決めてもらったという話しをよく耳にします。
安倍晴明神社で人気の御守りと御朱印について
様々な種類の御守りや御札、絵馬が取り扱われていますが、人気のものやおすすめのものをご紹介します。
本水晶さざれ石
1,000円
家の四方に撒いてお清め等に使います。
つげ葛乃葉狐御守(本つげ製)
700円
安倍晴明公の母親と言われる葛乃葉狐をモチーフにした御守りです。
本つげ材を手彫りしたもので、金の鈴と小判がそえられており、紫の下げ紐が付いています。
水晶チビ猫御守(1cm角の手彫りの招き猫)
700円
水晶を手彫りして作られた、1cm角の小さな招き猫の御守りで、幸運を招く御守りとして人気があります。包み袋に入れたまま、財布などの中に入れたりしてお持ちください。
水晶不苦労御守(1cm角の手彫りのフクロウ・赤または黒の袋付)
1,000円
最近、フクロウ型の御守りがたくさんありますが、これは水晶を手彫りしたもので、赤または黒の袋とセットになっています。フクロウを読み替えて、お金に苦労しないで暮らせる御守りとして人気があります。
安倍晴明神社御守
(黒色、赤色の2色) 1,000円
安倍晴明神社の御守で、魔除けや災難除け、病気平癒、交通安全などを祈願して、肌身につけていただくお守です。五芒星のマークがかっこいいと人気のある御守りです。
安倍晴明神社の御朱印
近くの阿倍野神社でいただけます。
さいごに
安倍晴明は阿倍野の豪族だった父・阿倍保名(あべのやすな)と葛の葉と名乗る白狐の間に生まれた伝説があります。
和泉(いずみ)の信田明神(しのだみょうじん)にお参りした保名は狩りから逃げてきた白狐を助けます。その後、白狐は人の姿となって葛乃葉と名乗り保名のところへ来ます。ふたりは結婚してやがて生まれた子どもが、安倍童子(あべのどうじ・晴明の幼名)です。
“恋しくば 尋ねきてみよ 和泉なる 信太の森の うらみ葛の葉” の意味とは
葛の葉の正体が白狐であることがばれた時に、障子に葛の葉が書き残した歌はとても有名ですね。
これは葛の葉が我が子である晴明に贈った歌で、その意味は、「母親が恋しくなったときには、和泉の信太の森にいるキツネを尋ねなさい。葛の葉は(あなたに会えず)とても悲しんでおります。」となります。
歌の中の「うらみ」は恨みと裏見の二重の意味があります。
恨みは恨んでいるというより悲しんでいるというニュアンスとなるようです。裏見とは、葛の葉っぱの裏が白いことから、葛の葉(人の姿の母)の裏(正体)は白い狐でありますよということなのでしょう。
このように安倍晴明公の誕生には不思議な秘話があります。その誕生の地に建てられた神社では晴明公のパワーを感じることができるかも知れませんね。