子どもの頃水ぼうそうにかかった場合、長く生きていればほとんどの人が発症すると言われているのが帯状疱疹です。
私は40代で帯状疱疹にかかりました。そのときの様子や帯状疱疹という病気はどんなものだったのかについて体験を元に記しています。
前半は
- 発症前から症状が表れるまでの様子
- 帯状疱疹で受診する科やタイミング
- 帯状疱疹の痛みの程度とピークはいつなのか
についてです。
帯状疱疹はお辛いですよね。あなたやあなたの身近な人のヒントになれば幸いです。
帯状疱疹が顔に出たときの体験談 発症前から症状が表れるまで
帯状疱疹は、発症前に痛みや痒みがあらわれます。
私もなんだか頭痛がするなーという感じからはじまりました。
子どもに洋服を着せるときにしゃがんだところ、子どもが私の肩に手を掛けようとして髪にふれたときにピリピリとした刺激のある痛みを感じるようになっていました。
とりあえず、バファリンなどの市販薬を飲んでやり過ごそうとしたのですが、これが3日程経っても治らないのでかかりつけの内科に行きました。金曜日ということで(休日前に診察してもらっておかないと)という気持ちでした。
そのときは皮膚の症状はまだ出ていなくて、気になる症状は頭痛でした。
(今思えば自転車に乗っているときに膝の調子が悪かったのですが、疲れて栄養不足なのかな?と思う程度の軽いものでした。)
診察で「片側の頭だけ痛くて、髪に触っただけでも痛い。疲れがあって風邪気味かも。」と言うと、三叉神経痛と診断されて「ロキソニン」を処方されました。喉も少し赤かったようでうがい薬もだされました。
しかしその翌日には起き上がれないほどの痛みで寝て過ごしていました。
するとその日の午後、布団の横で一人で遊んでいた息子が私の顔を見てビックリした顔で「お母さん、お顔が血だらけだよ!」と言われて慌てて鏡を見ると突然湿疹が顔や首に広がっていたのです。
早目の受診がラッキーだった
最初は(昨日内科に行ったのにどうして悪化したんだろう。土曜だと子どもを預けられないし連れて行くのは大変だし困ったな~。)と思いました。
動くのも辛かったのですが、たちの悪い感染症で子どもにうつしてしまうものなら大変だと思い、急いで救急病院に行くことにしました。
救急車を呼ぶのは気が引けたので、自転車の後ろに子どもを乗せて救急病院へ向かいました。
急激に悪化したので最初は薬のアレルギーかもと思ったのですが、救急病院では「疲れです。」と言われ点滴を受けました。(たぶんブドウ糖程度の栄養補給・・・)
しかし私は尋常じゃない痛みがあるし、その診断に納得がいかず「片側だけなんておかしい。大丈夫ですか?」と訴えるとお医者さんが「じゃあ帯状疱疹じゃないかな?」と言ってそれ用の薬を出してくれることになりました。
え~・・・って感じですが、患者側がきちんと自分の症状を説明できないと、専門医でないから診断は難しいのかもしれません。(循環器内科の先生でした)と思うようにしています・・・。
- 土曜日で子どもが家にいて気づいてくれた
- 一緒に過ごしている子どもにうつしてはいけないと思いで頑張って救急にかかった
- 「片側だけ」と念押しで訴えたので「帯状疱疹」と気づいてもらえた
ことは症状がでたら1時間でも早く薬を飲み始めることが肝心な帯状疱疹にとってはラッキーだったと思います。
帯状疱疹の早期発見は難しい
帯状疱疹は早期に治療を開始することで、症状を軽くすることがでます。
また、合併症や後遺症を防いだり、軽くすることができるのです。
ところが疱疹(水ぶくれなど)が皮膚に表れる前ですと私のように帯状疱疹の診断がされません。
決して最初の内科のお医者さんの判断が間違っていたということではないんですね。
帯状疱疹で受診するのは何科?かかるタイミングはいつ?
私が皮膚に症状が表れたのときは土曜の午後でしたので救急病院に行きましたが、休みが明けたらすぐに皮膚科を受診してください。と言われました。
帯状疱疹で皮膚に明らかな水泡ができていたら皮膚科を受診します。タイミングとしては一刻も早くです。
私の様に救急外来にかかることが重要です。
また、私の場合は首から耳、目のあたりまで水泡ができたので、皮膚科の先生から耳鼻咽喉科と眼科も受診するように勧められました。
帯状疱疹が顔に表れると本当に大変でした。
ひとつの病院だけではなく3つも回らなくてはいけなくて、顔面がとんでもなく恐ろしい形相になっていることで人に会うのも嫌でたまらなく、その上ただでさえ耐えられない痛みがあるので、常に顔は苦痛で歪んでいる状態なのです。
でも今後失明したり、耳が聞こえなくなっては困るとの思いで必死の思いで受診して回りました。
幸い目の方は特に所見なしだったのですが、耳は帯状疱疹の側の聴力が落ちていて通院することになりました。
耳鼻咽喉科ではビタミンBのお薬が処方されました。
それぞれの医院を受診する前に「帯状疱疹で伺います」と念のために電話で連絡をしておきました。
感染に関して何か考慮されるのかと思ったのですが、「はい。どうぞ。」だけで特に待合室を別にされるとか受診時間を指定されるとかはありませんでした。
帯状疱疹で処方されるお薬
救急病院で出された帯状疱疹のお薬は以下のものでした
パルトレックス錠500㎎ 1日3回 7日分
ランソプラゾールOD錠15mg 1日1回 7日分
テルペラン錠5 5回分
アラセナーA軟膏3% 1日数回
が処方されました。
この中のパルトレックスという薬が抗ウイルス薬です。
ウイルスの増殖を抑制する薬で、帯状疱疹の初期に飲まなければいけないものなのです。
尚、このお薬はびっくりするくらい高価です。
緊急病院にかかる際、お会計ができないので受付で預け金を1万円払っていたのですが、「後日清算に来ていただければおつりをお出ししますね。」と言われていたのです。それで夫におつりを貰ってきてと頼むと「追加代金請求された」と言われ驚きました。
結局1万5千円くらい払いました。
皮膚科では痛みをコントロールするお薬と皮膚を正常に戻すための軟膏が処方されました。
リリカカブセル25mg
フェキソフェナジン塩酸塩錠60mg
アズノール軟膏
ポアラ軟膏
リリカカプセルというのが痛み止めです。
帯状疱疹という病気は初期に徹底して痛みの治療をしないと、痛みが一生残る事があるのです。
これを帯状疱疹後神経痛といいますが、帯状疱疹で恐ろしいのは帯状疱疹後神経痛があるからです。
皮膚科の先生ご自身も帯状疱疹の経験があり、リリカの飲み方に関しても「人によって適量が変わり、副作用の出かたも様々」と細かく指示をしてくれました。
私は病気でも子どもの面倒を看なければいけないので副作用はなるべく避けたいという希望を出しました。
軟膏はただれた皮膚を元に戻すために処方されました。
現在では帯状疱疹の新薬アメナリーフ(一般名アメナメビル)が処方されると思います。
帯状疱疹の痛みの程度とピークはいつなのか
帯状疱疹と診断されてから、痛みはマシになるどころか酷くなっていきました。
ヒリヒリどころではなく、針でザクザク刺されているようでした。
衣服の布が触れても痛く、風に当たっても激痛が走り、「ウゥゥ・・・」とうめき声が出てしまうほどです。
ペインクリニックに行くことも考えましたが、近所にはありません。一人で電車に乗って行くのは到底無理です。連れて行ってくれる人もいないので皮膚科の先生に相談しながら痛み止めの薬で乗り切りました。
※ 私は自分の生活環境からペインクリニックには通いませんでしたが、行ける方は早めに受診された方がいいようです。
痛み止めは飲んでも効いているのかどうかはわかりませんでした。痛みがなくなることはなく、飲まないともっと酷い痛みなのだろうかと想像するだけでした。
この痛みのピークは水疱の時期です。
発症から3週間ほど続きます。
ただ、帯状疱疹の痛みは、個人差があります。私は痛みは苦手なほうで激痛と感じていましたが、友人は「軽くすんだ」と言っていました。
まとめ
帯状疱疹は70歳以降でかかる病気だと思われていますが、実際には20代や50代で発症する人も多いです。
受験や就職、育児や介護、責任の重い仕事を任されるなど大きなストレスがかかりやすい時期でもあるからでしょう。
私もワンオペ育児に両親の介護のダブルケアで毎日いっぱいいっぱいの最中でした。
帯状疱疹は痛みとの戦いがつらいのですが、顔などにできた場合の症状の酷さ、子育て中にかかると子どもへの感染の心配、忙しくて休めないからなったのに休養しないといけない辛さが加わります。
後編は
帯状疱疹でつらかった二大症状(痛みと水泡)がどのくらいの期間続いたのか
痛みの緩和に役立ったのは何だったのか
家族や周囲ににうつさない対策はどのように行ったのか
について書いています。