「ナショナル ジオグラフィック日本版 2018年6月号」
最近話題の廃プラスチック問題の特集記事を目当てに図書館で借りて読みました。
夏休みを過ごす息子と、今年の自由研究は「プラスチックもんだい」をテーマにしようかと話していたので、資料として活用する目的です。
(特集部分のみの備忘録となります。)
【特集】海に流れ出るプラスチックの内容
丈夫で軽く、安価なプラスチックの発明は、人々の暮らしを大きく変えた。
便利になった一方で、廃棄された大量のプラスチックが海へと流出している。
海洋生物を介した人体への影響も懸念されるなか、この厄介な問題を解決しようと各地で取り組みが始まっている。
プラスチック 4つの視点
- プラスチックと健康 ―人間への影響は?
マイクロプラスチックは魚介類にとって有害なことがわかっている。人間にも有害なのだろうか。
- プラスチックと動物 ―犠牲になる野生動物
プラスチック片をのみ込んだり、魚網に絡まったりして命を落とす動物たち。海はまるで地雷原だ。
- プラスチックと生きる ―ごみを削減するためにできること
リサイクル率を大幅に上げ、使用量そのものを格段に減らす必要がある。
- プラスチックとアート ―海ごみの現実を伝えるアート
写真家マンディ・バーカーによるプラスチックのアート作品は、私たちが捨てたごみを目の前に突きつける。
考察
プラスチック問題が注目されることは良いことだと思います。
汚染の場所が海(公海)であると、ひとつの国だけの問題ではなくなります。
プラスチックごみには有害な化学物質が含まれていたり、付着していったりします。
海にすむ生物が、プラスチックを食べてしまったりすると、体が傷ついたり、化学物質が体内に蓄積されていきます。
食物連鎖により、最終的には人の体内に有害物質が蓄積されていくことになるのは恐ろしいことだと思いました。
また、プラスチックごみは紫外線や波の力で壊れて細かくなっていきます。
砂浜の上は光と熱でどんどん小片化・微細化が進みます。
そして5mm以下のプラスチックになってしまうとマイクロプラスチックといわれる回収が極めて難しい状態になってしまいます。
知れば知るほど、多くの人や企業が早くこの問題を解決するべく意識を持ってくれたらと願います。
もちろんこの問題を意識して対策を予定している企業は多いのですが、単純に汚染を食い止めるためということだけではなく、企業の価値を高めるためのイメージアップの狙いもあるかと感じています。
プラスチックゴミには名札(企業名のロゴなど)がついているので知らんぷりはできないのでしょうね。
ESG※も投資家の間ではリスク回避の手法として注目されているようです。
※Environment環境・Social社会・Governance企業統治に配慮している企業を重視・選別して行なう投資手法
感想
表紙は大きな氷山。
廃プラは海洋汚染の氷山の一角だということを表しているのですが、よくみるとその氷山の正体は海に漂うレジ袋です。
見た時は、ゾクッと背筋が凍るような感覚になりました。
小学生(低学年です)の自由研究レベルならこの雑誌の特集記事だけでも資料として十分です。
圧倒的なプラスチックごみの量が一目でわかる写真が掲載されていて、自分と同じような子どもが外国ではゴミの中で働いている事実を知り、ショックを受けたようです。
といってもあまりの日本とのギャップにどれだけ現実感をともなっているのかは不明です。写真もきれいにとられていましたし、心理的防御も働いて映画の中のシーンのように感じているかもしれません。
どちらかというとゴミにつかまってきれいな海をただようタツノオトシゴや漁網がからまったウミガメの写真のほうが海洋生物好きの彼にとっては悲しい現実のようです。
ナショナル ジオグラフィック日本版 2018年6月号 おすすめしたい人
- 海の生物が好きな人(ショッキングかもしれませんが)
- プラスチックゴミ問題に興味がある人
2018年発行の雑誌ですが、図書館で借りることができるのではないでしょうか。
わが家のように夏休みの自由研究の資料として使うのにもおすすめです。