女の子のいる家庭では、3月の桃の節句には雛人形を飾るところが多いでしょう。
親の代の人形を大切に受け継ぐという家庭もあります。
いただいたお雛様をいつから出して飾るのがいいのか、置く場所はどうするかについて結構悩みますよね。
親から譲り受けた雛人形の場合、飾り方の説明書のようなものがついてない場合もあります。
いざ並べようとすると(どちらに御内裏様?)となりますが、こちらで確認してみてください。
雛人形の飾り方 時期はいつにする?
雛人形は早くから出して楽しむほうが良いとされています。
節分の飾りつけを取り外す立春(節分の翌日、2月4日頃)頃から飾ります。
また雨水の日(年によって変わります。2018年は2月19日です。)に飾ると良縁に恵まれると言われていますのでこの日にされるのもいいです。
長く楽しむのは良しとされていますが、3月3日の前日に飾るのは「一夜飾り」で縁起が良くないとも言われます。
ちなみに片づける日ですが「早く片付けないとお嫁に行けなくなる」と言われていますが、これは迷信ですので気にしなくてもいいですよ。
お天気の良い日を選んで片付けるのがお人形の状態を良く保つにはおすすめです。ですので3月中旬頃までを目安に片づければ大丈夫です。
雛人形の飾り方 場所や方角に決まりはある?
どこに飾るかという場所の決まりはないので、家族が楽しめる部屋に飾りましょう。
段の向きや方角なども決まっていません。家庭によっては東向き・南向きが良いとこだわりがあるところもあります。
雛人形を飾る部屋でおすすめなのは「リビング」や「和室」ですね。
和室に飾ると雰囲気が出ますし、家族が集まるリビングに飾るといつでも眺めて楽しめるのがいいところです。
ただ、お人形の品質のためには高温多湿の所と、直射日光に当たる場所は避けるようにしましょう。
エアコンやヒーターの風が直接あたったり、加湿器を近くに置いたりといったことはNGです。
なぜなら、いずれも「絹の大敵」だからです。
お人形に使われている絹は湿度と直射日光に弱く、湿度はカビや虫食いの原因に、直射日光は変色の原因になります。
雛人形の飾り方 並べ方はどうする?
地域によって並び順や、飾り道具などが変わってきますし、こうしなければならないといった決まりはないようです。
バランスよく見える並べ方として参考にしてください。
- 素手でお人形の顔を触らないようにします。
- 飾るときはお道具をまず配置してから人形を置きます。
- 人形は上段から置き、最後に全体のバランスを整えましょう。
七段雛人形の飾り方
それぞれの段を向かって左からの並び順で説明してあります。
一段目(最上段) 御内裏様(親王)
殿と姫の一対を御内裏様といいます。
“うれしいひなまつり”の歌詞で誤用されているため殿を御内裏様だと間違うことが多いようです。
並びですが、現代では結婚式の新郎新婦の並びと同じ向かって左に男雛・右に女雛となります。
ただ、京都では今でも“太陽が先に当たる側が上の位、「左をもって尊し」”とする、左上位となるため右男雛・左女雛で飾ります。
背後に屏風(びょうぶ)、左右に雪洞(ぼんぼり)、真ん中に御神酒(おみき)又は桃の花をさした三宝飾りを置きます。
男雛の右手には笏(しゃく)を持たせ、左側の腰に太刀を差し込みます。太刀の刃は下に向けます。
女雛の手には檜扇(ひおうぎ)を開いた状態で持たせます。
二段目 三人官女
加えの銚子(くわえのちょうし):右手に銚子を持たせます。
三方(さんぽう):座っており、眉がない。両手で三方(京雛は島台)を持ちます。
長柄銚子(ながえちょうし):両手を握っています。
となり、左右の官女は外側の足を前に出しています。
官女の間には高坏(たかつき)と桜餅を置きます。
三段目 五人囃子
太鼓、大皮(おおかわ)、小鼓(こかわ・こづつみ)、笛(ふえ)、謡(うたい)
大皮というのは絵のない鼓です。
謡は歌っている人形で、右手に扇を持たせます。
この2つのお人形は口を開いているのが特徴です。
この五人囃子の並び方は、能の囃し方と同じです。
四段目 随身(ずいしん)
左に右大臣(若人)、右に左大臣(老人で髭のある赤い顔)と置きます。
大臣の間に御膳と菱台を並べます。
位が高いのは左大臣ですので老人です。
このお二人も歌では逆になっていてややこしいですね。赤いお顔は左大臣です。
五段目 仕丁(じちょう)
仕丁のお顔で見分けます。(怒、泣、笑)の順に左から置きます。
持たせる道具は台笠(だいがさ)、沓台(くつだい)、立笠(たちがさ)です。
京式は箒(ほうき)、ちり取り、熊手となり、前に置きます。
左に「右近の橘」、右に「左近の桜」を置きます。
六段目
箪笥(たんす)、挟箱(はさみばこ)、長持(ながもち)、鏡台、針箱 衣裳袋、火鉢、茶道具
七段目
籠、重箱、御所車
六段目、七段目には平安時代の貴族のお嫁入り道具が、御道具として飾られます。
中には「貝桶」という、本物の貝殻で作った貝合わせという遊びで使う合わせ貝が入っている器もあります。
この合わせ貝は飾る時は中に納めておきますが、実際に遊ぶことができるつくりのものもあります。
雛人形に飾るお道具はどれも精巧な作りで、蓋がきちんと開いたりするものが多いです。
初節句の時に子ども宛てのメッセージを書いた手紙をそっと御所車や重箱の中に忍ばせておくというのも素敵なアイディアです。
子どもが字が読めるようになったとき、お嫁に行くときに持たせてもらったのを初めて出すときなどに気が付いて読んでくれると嬉しいですよ。
ちょっとしたタイムカプセルですね。
雛人形の飾り方のまとめ
お人形の並びをおさらいしておきましょう。
一段目 | 親王(左殿・右姫) |
二段目 | 三人官女(加銚子、三宝、長柄銚子) |
三段目 | 五人囃子(太鼓、大皮、小鼓、笛、謡) |
四段目 | 随身(右大臣、左大臣) |
五段目 | 仕丁(怒、泣、笑) |
飾り終えたら、最後に写真をとっておきましょう。
プリントしてお雛様を片付けるときに一緒に箱に入れておくと次の飾りつけの時に役立ちます。
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