参拝方法として「二礼二拍手一礼」が知られていますが、神社に着いてから立ち去るまでの通しでの正しい参拝方法はできていますか?
子どもと一緒にお参りする際には「こうするんだよ」と教えながらまわると楽しいですよ。初詣の意味や由来も話せるといいですね。
参考となるようにそれぞれのポイントをわけて説明いたします。
初詣の意味と由来を子どもに説明してあげましょう
初詣の意味
初詣とは、年が明けてから初めて神社やお寺に参拝することです。
どうして初詣に行くのかと子どもに聞かれて、わかりやすく説明するとすればこんな感じでしょうか。
神様というのはずっと私たちを見守ってくれているの。だから、昨年1年間見守ってくれてありがとうございましたというお礼と今年も1年頑張りますからどうか良い年となりますようにとお祈りするといいよ。”
初詣の由来
元々は「年籠り(としごもり)」という、一家の長が大晦日から元旦にかけ氏神様の社に籠る風習がありました。
このことは平安時代の書物にもでてくるのでかなり古くからの習慣のようです。
やがて年籠りは、「除夜詣」と「元日詣」との2つに分かれました。
そして、江戸時代までは、元日参りは“恵方参り”(えほうまいり)と呼ばれていました。
恵方(陰陽道でその年の干支に基づいてめでたいと定められた方角)にある神社でお参りをし、その年の無事と平安を祈るというものです。
この年籠りと恵方参りの行事が現在の初詣の原形になったといわれています。
いまでは交通の発達により、氏神様や恵方ということにこだわりなく、有名な社寺に参拝する人も多くなっています。
子どもにわかりやすく説明するとすればこんな感じです。
年籠りというんだけど、それがいつのまにか元日にお参りするようになって、家族みんなで初詣をするようになったんだよ。
それから恵方という良い方角にある神社に行くようになったり、大きな神社のあるところにも電車で行けるようになって好きな神社に行くようになったんだって。”
初詣の参拝マナーと手順を確認してみましょう
神様を敬う気持ち(感謝)という基本さえあれば、あまり難しく考え過ぎないで自由にお参りしていいようなのですが、せっかくなので正しい作法でお参りしましょう。
1 鳥居をくぐる前に一礼します
続いて参道を進みます。
玉砂利を踏むのも“邪を離れる”祓いの一つです。
2 手水舎(ちょうずや)で清める
手水で手を洗います。(洗う順番は左手→右手)
手に水を取り、口をすすぎます。
最後に柄杓(ひしゃく)を縦にして余った水で柄の部分を洗い、元に戻します。
柄杓に直接口をつけないようにしましょう。
子どもがひとりで上手くできない、服を水浸しにしそうであれば親が手伝ってあげてもいいですし、水は口に含めなくてもマネだけでもいいです。
3 鈴を鳴らす
神様に自分が来たことを知らせ、鈴の音で魔を払います。
4 お賽銭を入れる
お正月はお賽銭箱ではなく、特製のお賽銭場所が用意されていることもあります。
投げ入れたりせず、そっと入れましょう。
お賽銭についてはこちらの記事を参考にしてください。
初詣などで神社に参拝する前に確認しておきたいお賽銭の金額
5 拝礼します
「二礼二拍手(お祈り)一礼」
礼は背中を平らにし、腰を90度に折ります。
拍手は胸の高さで両手を合わせ、右指先を少し下にずらし2回打ちます。
お祈りは手を合わせて心の中で感謝や願い事をします。
最後にもう一度礼をします。
※神社によっては作法が異なることもあります。
6 授与所に立ち寄り、新しい御守りや御札、おみくじなどを購入し、古いものを返納します。
昨年いただいた御札や御守りは「古札納付所」に返納し、昨年のおみくじは所定の場所に結びます。
おみくじを持ち帰らない場合は、今年ひいたおみくじも一緒に結んでも構いません。
7 帰る際、鳥居をくぐって振り返り、一礼する
子供の手をひいての初詣のときにありがちなこと
混雑している神社では手水、お賽銭箱までたどり着けないこともあるかもしれませんね。
移動は人の流れに合わせる方が安全です。
そういう場合は臨機応変に細かい手順にこだわらず本殿の前まで行けなくても安全な場所からお参りするといいですよ。
さて、初詣の意味や手順、参拝マナーなど一般的なことがわかったところで、次の章では小さい子どものいる家庭での心配ごとについて考えてみます。
初詣に子どもを夜中に連れ出してもいい?
除夜の鐘を聞きながら「そろそろ行こうか」と夜中に初詣を毎年されている場合、慣れているのであれば大丈夫だと思います。
毎年お参りしている神社(大混雑の神社ではない)で、混雑具合や所要時間、危険がないとわかっているなら「家族の行事」として特別な夜のお出かけもありです。
眉をひそめる人がいるかもしれませんが、それが他人ならば、年に1日くらいの睡眠不足で成長がどうとか虐待になるとかは気にしなくてもいいです。
実際『お正月くらいはいいんじゃないの?』という人の方が多いですよ。
子どもの様子をみて、日中たくさん遊んで疲れてしまっていないかは気にしてあげましょう。
元気そうだからと出掛けたものの、子どもや赤ちゃんが眠ってしまったときは抱っこになる覚悟で行きましょう。
体調を崩さないように暖かい恰好でお出かけしましょうね。
ところで、夜中でなくてもそもそも初詣に子どもを連れて行っていいかどうかを悩むこともあると思います。
小学生以上であれば大丈夫ですが、未就学児や赤ちゃんがいると気になりますよね。
初詣で特に人気のある神社は大混雑なため、住んでいる土地の氏神様が祭られている神社にするなどしましょう。
人気の神社は屋台が出たり、イベントがあったりと楽しそうで子どもも喜ぶでしょうが、感染症をうつされないかや押されてケガをしないかなどのほうが心配です。
兄弟がいて下の小さい子をがっちりガードしてあげていると上の子が迷子・・・というのもありえます。
そんなに親から離れてなくても人混みで見つけらなくなりますから普段は迷子になんてならない子でも気をつけないといけません。
他にも子どもが帽子や手袋をなくす率も高くなりますね。落としても拾えなかったり踏みつけられたりして悲しいことに・・・。
本来の初詣というのは氏神様に新年のご挨拶をすることですので、小さなお子さんや赤ちゃんと一緒であれば氏神様にお参りするのをおすすめします。
寒さの心配については?
寒さが心配であれば、午前中参拝など時間にこだわらず、暖かい日中にお参りするといいですよ。
天候が悪い場合も避けた方がいいですね。
寒いとトイレ問題もでてきますし、防寒対策も大ごとになって荷物が増えてしまい、お参りしづらくなります。
まとめ
参拝方法や気をつけるポイントなどいろいろありますが、一番大事なのは「子どもが楽しめるかどうか」です。
無理して堅苦しくする必要はないですし、必ず行かないといけないものでもありません。
せっかく初詣に行くのであれば楽しく正しい作法で家族の幸せを願うのがいいですね。